PICでDutyの検出

Index

• 概要
  • データ波形
• PICについて
  • PICのアーキテクチャについて
  • PICのマシン語について
• プログラム
  • プログラムのフロー
  • CCSCによるマシン語記述例
  • Bank切換えについて
  • まとめ

概要

• PICでDutyを検出するプログラムを考える。
• PICの説明用の資料、自分用の覚え書きとして。
• PICは16F873、開発環境は、CCS-C。といってもPIC共通の部分が多いけど。

データ波形

• 仕様はこんな感じ。
• コマンドを発行すると、データが出力される。
• Dutyが25%,75%でそれぞれ、０,１を表す

• コマンドを送ると、このようにデータを返す仕様らしい。
• 実際は、コマンドとデータの端子は共通なので、ポートを出力にしてコマンド送信後、ポートを入力に切替えてデータを受信する必要がある。

• 立上りを検出してから、データ周期の半分の時間を置いて判定するのが良いと思われる。

PICについて

PICのアーキテクチャについて

• PICは、プログラムメモリとデータメモリが分離¹している。
• プログラムメモリは、プログラムからアクセスすることは出来ない。
• プログラムメモリは、12bit以上あるため、基本的に１命令が１サイクル（４クロック）で実行される。

• それに対して、データメモリは8bitなので、８ビット演算しか出来ない。
• 演算用のレジスタは、8bitのWレジスタだけ。
• 後は、レジスタファイルと呼ばれる、8bit×128×４bank
• といっても、ユーザが使えるのはBankの後半の98byteのみ。
• それにBank2,3は、Bank0,1のイメージ（同じ場所）なので、ユーザは96×2byteのメモリしか²使えない。
• IOポートとか、制御用のレジスタは、このレジスタファイルからアクセス出来るようにアドレスが割当てられている。

PICのマシン語について

• PICのマシン語は、基本的にこのWレジスタと、ファイルレジスタfの間の演算命令しか無い。
• 単純な命令しかなく、PIC16F87xの場合、３５命令しか持たない。

• 特徴として、
• 条件JUMP命令が無い→条件スキップ命令のみ
• 基本的に１命令が１サイクルで実行されるので、実行時間の計算が簡単。
  • 例えば、4MHzクロックの場合、１命令＝１usになる。
  • 但し、ジャンプやスキップ等の命令は２サイクル掛かる。
• ファイルレジスタに対する命令では、出力先をWレジスタか、ファイルレジスタに戻すか選択できるものが多い。

          addwf xxx,f     // w+xxxの値を、xxxに入れる
          addwf xxx,w     // w+xxxの値を、wレジスタに入れる
  

• 減算命令（subwf,sublw）は、W-F,W-定数ではなく、F-W,定数-Wと感覚的に逆になっている。
  • また、桁下がり（ボロー、実際はキャリーだが）フラグが、桁下がりがある時に０になるので注意。

プログラム

• Cで記述すると、遅くて検出がうまく行かないということだったので、
• 久しぶりにアセンブラで書いてみることにした。

プログラムのフロー

• PICは基本的に、１行（１命令）→４クロック
• Jump命令は２命令分（８クロック）必要

• 16bit分を取込むためのプログラムの例
• PICは基本的に条件JUMP命令が無いので、条件スキップで書けるようにフローを考える必要がある

  start:
          Data0クリア                     // 初期設定→出来れば、これはコマンド発行前にやっておく
          Data1クリア
          カウンタセット
  loop:
          データ１ならば、スキップ        // データ立上り検出
          loopに戻る
  
          ウェイト                        // 調整が必要
          キャリークリア                  // すぐ後のシフト演算のために、キャリークリア
  
          データ０ならば、スキップ        // データ判定
          キャリーセット
  
          Data0左シフト（キャリ含む）
          Data1左シフト（キャリ含む）
  
          カウンタ-1
          カウンタが０なら、スキップ      // 取込み完了まで繰返し実行
          loopへ戻る
  

• データ判定から、次のデータ立上り検出まで、最低８命令掛かる。
• つまり、最小パルス幅が8x4=24クロック以上である必要がある。
• 20MHzならば、1.2us以上ないと判定出来ない³ということになる。

CCSCによるマシン語記述例

• CCSCでは、#asm〜#endasmにマシン語をアセンブリ言語で記述できる。
• フローをマシン語に書き直してみる。

          int count=16;           // 変数の初期化
          int data0=0;
          int data1=0;
  
  #asm
  
  loop:
          btfss   PORTA,0         // 仮にPORTAのbit0が、データとする
          goto    loop            // データの立上り待ち
  
          nop                     // nopで時間稼ぎ（調整要）
          nop
          nop
          nop
          bcf     STATUS,C                // キャリをクリア
  
          btfsc   PORTA,0         // データが１ならば
          bsf     STATUS,C                // キャリをセット
  
          rlf     data0,f         // キャリに入っているデータを、dataにシフト
          rlf     data1,f         // 仮に16bitデータとすると2byte分やれば良い
  
          decfsz  count,f         // -1して判定スキップする命令があったので、１命令節約
          goto    loop            // 16回繰返す
  
  #endasm
  

• PICのEndianが良くわからなかった⁴ので、とりあえずdataを８bit毎に分割しておく。
• Word長が長くなった場合は、シフトするレジスタ数を増やせば良い。

Bank切換えについて

• #asmは、現在のバンクからアクセス出来ないレジスタに対して、自動バンク切換えを行う。
• そのため変数が違うBankにある場合は、切換えが発生して余分の時間が掛かる可能性があるので注意。
• 例えばSTATUSは、どのBankからでもアクセス可能だが、PORTAはBank0からしかアクセス出来ない。
• data0,data1それにcountは、実際に何処に配置されるかは分からない。。

• Bank切換えを起こさないようにするためには、全部Bank0に配置するしかない。
• 未確認だが、多分#LOCATEでレジスタを強制的に指定出来ると思う。

          int count=0;
          int data0=0;
          int data1=0;
  
          // 全部Bank0（0x20〜0x7F）に指定する
          #locate count=0x50;
          #locate data0=0x51;
          #locate data1=0x52;
  

まとめ

• PICのアセンブラは単純な命令しかないので、パズルみたいで面白い。

• 今回はポーリングでやるように考えたが、例えば、
• ポートの立上りで割込みを掛けて、同様のプログラムを書くとか
• ccpを使って、パルス幅をカウントしてやるとかが考えられる。

• でも多ビットの判定を行うし、正確なパルス幅を必要としているわけではないので、あまり変わらないかも。

• でもこの流れだったら、Cで記述してもそんなに遅くはならない気もする。
• うまく行かなかったという、プログラムを見てみないと分からないけど。